常山 雫取 白珪 化粧箱入　　　720ml

ひとつぶの白い石をそっと手のひらにのせて、
ゆっくりと磨いていくような感覚。

完全に見えても、なお手をかければ澄んでいく。
その静かな営みの先にたしかな光が宿ることを
人は知っています。

雫取 白珪はそんな「磨く」という心そのものを宿した一本。

禅の句「白珪尚可磨」に由来する名前のとおり
現状に甘んじず、ただ穏やかに、ていねいに、
もう半歩、先へと進みたい人へそっと寄り添う存在です。

グラスを傾けた瞬間に広がるのは、
朝の窓辺で少し冷えた空気に感じるような、澄んだ香り。

柑橘の白いワタや、
切りたての青りんごの薄皮の近くにあるような
ほのかな甘みと心地よいみずみずしさが鼻をくすぐります。

口にふくむと、まるで真水に光が差すような透明感。
お米の旨みは輪郭を持ちながらもなめらかで、
余韻は控えめにやさしくほどけるよう。
穏やかだけれど、芯はまっすぐ。

冷やすと端正に、少し温度をゆるめればふくらみが増す
移ろいもまた、このお酒の魅力です。

洗いたてのシャツを干して、
風が冷たくなった夕方。

台所から、蒸し鶏の湯気があがる。
音楽は流れていなくても
静かすぎるわけでもない時間。

誰かといても、ひとりでも、
その日の気持ちがやさしく整っていくようなひとときに。

磨かれた一杯がそっと寄り添い、
明日へつづく背中を、やわらかく押してくれます。