阿部勘　神力　特別純米酒　長期低温熟成　　1800ml

熊本県産の希少米「神力」を使い
しぼった後におよそ二年半ものあいだ氷温で静かに息をひそめてきた一本です。

熟成による重たさではなく、時間が澄ませたような静かな落ち着きがあり
まろやかな旨みにすっと寄り添う酸が小さな灯りのように輪郭を照らします。

香りは、11月の雨上がりに差し込む冷えた光のように清らかで
食卓に置いた瞬間から、ゆっくりとその存在を広げていきます。
冷酒ではきりりと引き締まり、ぬる燗ではやわらかくふくらむように寄り添い
一本の中で秋から冬へ移りゆく温度の景色を味わうことができます。

寄り添いたいお料理は、季節の出汁と素材の良さを生かしたもの。

澄んだ鰹と昆布の一番出汁でつくるお吸い物
焼き目をつけた銀鱈の酒塩焼き
蕪と鶏そぼろの炊いたん
ほうれん草のおひたしに柚子皮を添えて。

食材の輪郭を壊さず、寄り添うお料理たちは、
冬支度をはじめる食卓の風景そのものです。
夜が早くはじまる季節、煮えたお鍋から立つ湯気の向こうで
誰かが笑っているような、そんな時間によく似合います。

家の灯りがともる頃、手袋を脱いでほっと息をつく、あの瞬間。
湯気の中、台所のあたたかい匂いと並んで
ひっそりとそこにある一杯が、今日という一日をやわらかくほぐしてくれる。
阿部勘 神力 特別純米酒は、11月と12月のはじまりに
やさしく寄り添いながら、心まで温めてくれるお酒です。