綿屋 特別純米 幸之助院殿 1800ml

かすかな柑橘の香りが先に立ち
ひと口でするりと舌をなでるような、上品でみずみずしい旨み。
静かな余韻が、杯の奥でゆっくりほどけていきます。

この一本には、少しユニークな来歴があります。
原料米は有機栽培のヒトメボレ。
肥やしは、漢方薬を含む14種のハーブを配合した飼料で育てた「漢方和牛」の堆肥のみ。
循環の輪のなかで稲は育ち、そのお米でお酒が生まれる。
土地の知恵と手数が、やわらかな清澄さとなってグラスに映ります。

酒名の「幸之助院殿」は、漢方和牛づくりを拓いた
一迫ゆかりの創設者に由来する尊号。
敬意のこもった名の通り、香りは控えめで凛と澄み
味わいは軽やかでいて芯が通り後口は清水のようにすっと引きます。

合わせるお料理は、鶏の塩麹焼きやかぶの浅漬け
白菜と帆立の春巻きや白身魚のソテーなど
無理なく寄り添うお料理がおすすめ。

夜の小腹には生ハムと果物の組み合わせもよく合います。
どれも、控えめな香りときれいな甘み
さらりとした後口のバランスが心地よく馴染んでくれます。

そっと空気を澄ませてくれるような一本。
どうぞ、冷やしすぎず、少しだけ温度を乗せて
テーブルの上にやわらかな余白をお迎えください。