大倉 山廃特別純米 備前朝日 無濾過原酒　　　1800ml

グラスに注ぐと、液色はほんのりと黄色みを帯びていて
熟したお酒だけが持つ、静かな落ち着きを感じさせてくれます。

立ちのぼる香りは松脂やメープルシロップを思わせる甘やかなニュアンスに
木の樽の内側をそっとなでたような、あたたかい印象が重なります。

ひと口含むと、まず驚くのはその「とろり」とした口あたり。
備前朝日米ならではのふくよかな旨味が
クリームを溶かし込んだソースのようにしっとりとひろがり、
南国の完熟フルーツを連想させる豊かな甘やかさが
舌の上でゆっくりとほどけていきます。

その一方で、山廃仕込みらしい酸がきゅっと背筋を通してくれて
ほんのりスパイスを振ったビターチョコレートのようなほろ苦さが
味わい全体をきれいに引き締めてくれる。
喉ごしは滑らかで
飲み込んだあとにはやさしい渋みがふわりと残り、
もうひと口、ゆっくり確かめたくなる余韻が続きます。

ぬる燗にすると、お酒の本領発揮。
朝日米の旨味がさらにふくらみ
甘酸っぱさとコクが一段と立体的になって、
寒い夜の食卓を、じんわりとあたためてくれます。

パーティー用のきっちりしたコース料理よりも、
「今日はしっかり食べたいな」という日の、
少しこってりしたおかずたちと合わせたいお酒です。

中華なら回鍋肉と青菜炒め
甘辛い味噌のコクと豚バラの脂に、
大倉の濃厚な旨味と酸がぴたりと寄り添い、
後口を心地よくまとめてくれます。

夕食の定番アレンジに鯖の味噌煮に黒胡椒をひと振り
味噌の甘さと魚の旨味に、
山廃の酸と渋みが心地よく重なり、
燗酒にすると、思わず「もう一杯」と言いたくなる組み合わせに。

友人とじっくり話し込みたい夜、
家族といつもより一品多めにおかずを並べた晩ごはん、
音楽を流しながらキッチンカウンターでつまみをつくって
その横で少しずつグラスが減っていく時間——。

そんな「日常」のシーンに、
大倉 山廃特別純米 備前朝日 無濾過原酒を一本。

一日の終わりに、
濃厚なのにどこか落ち着いたこのお酒が
ゆっくりと体と心のスイッチを
夜モードに切り替えてくれるはずです。