常山　純米大吟醸辛口　「極」　720ml

洗練された辛口にそっと色香をまとわせた一本。
グラスに注いだ瞬間の透明感
鼻先にふわりと触れる上品な吟香
そして、最後にすっと切れていく清々しいキレ。
三つの表情が、まるで静かな三重奏のように調和します。
　
香りは、華やかさではなく“品”をまとったタイプ。
熟しすぎない果実をそっとひとつ置いたような
ほのかに甘やかな吟醸香が、やさしく立ちのぼります。
存在を主張するというより
“気づけばそこに寄り添っている”香り。

ひと口ふくむと、
まずはクリスタルのように澄みきった透明感。
そのあとから、お米の旨みが
薄いシルクを一枚ずつ重ねるように広がっていきます。
輪郭はシャープなのに
味わいそのものはどこかしなやか。
酸は、味全体にすっと一本の線を描き
苦みは影のように奥行きを与えてくれる。
飲み終わりの余韻はさらりとしていながら
指先にやわらかい温度を残すような心地よさです。


香り、旨み、キレ。
その三つがひとつに溶け合うことで生まれる静かな品と色気。

特別な晩餐よりも今日を少し整えたい夜にこそ似合う一本です。
今夜のグラスに透明な辛口をそっと注いで
そのひと口が見せる凛とした表情を
ゆっくり確かめていただけたら嬉しいです。