常山 荒磯 直汲生 ARAISO 純米大吟醸 辛口　　　720ml

紋章上絵師・波戸場承龍氏が描いたのは、
荒々しい海のリズムの中を、しなやかに跳ねあがる一尾の鯛。
クラシックな「めでたさ」と今の感覚にフィットするグラフィックが同居した
年末年始のテーブルに置きたくなるパッケージです。

中身は、特別栽培米五百万石（契約栽培）を使った純米大吟醸。
搾りたてをすぐに瓶に閉じ込めているので
グラスに注いだ瞬間、ガス感がきらりと立ちのぼり
白い花や柑橘の皮を思わせるみずみずしい香りがふわっと広がります。

熟した洋梨や白桃をさらりとスケッチしたようなやわらかな甘さ。
そこに細かな泡がリズムを刻みながらすっと流れていくので、
余韻は澄んでいながら心に残ります。

荒磯（ARAISO）という名の通り
どこかに「海」を感じさせる芯の強さがありつつ
ひとりの時間に寄り添ってくれる優しさもある。
そんな二面性が、こちらのお酒の魅力です。

合わせるのは、自分の機嫌を少しだけ整えるための小さな一皿たち。

冬の夜、静かな部屋で音楽を流しながら
黒酢とごま油をきかせた白菜と鶏ささみの中華風サラダを。
やわらかな酸味と香り高いごまが、
フルーティーな香りと微炭酸のリズムと重なって、
一日の疲れを、やんわりほどいてくれます。

少しだけ夜ふかししたい日の洋食なら、
アンチョビバターを塗ったトーストに、
セロリとグレープフルーツ、ナッツを合わせたサラダを添えて。
ほろ苦さと塩気、柑橘の明るさが交差する一皿に、
クリアな旨味と微炭酸が重なると
飲むたびに、余白のある大人の夜が立ち上がってきます。

ひとりで飲むからこそ
ボトルの鯛を眺めたり、グラスの中できらめく泡を追いかけたり
季節の移ろいと自分のコンディションを静かに確かめる時間が生まれる。

年末年始の“めでたさ”をまといながら
日常のすき間にそっと入り込んでくれるささやかなごほうび。
荒磯の一杯は「今日はちゃんと、自分をねぎらおう」と思えた夜にこそ
そっと開けてほしいお酒です。