仙禽初槽しぼりたて 責め　　 720ml

毎年、この季節になるとそわそわと心が動き出す。
仙禽の初槽（はつふね）シリーズを楽しみにしている人ならば
きっと共感してしまうはず。

その三姉妹の中で
静かに物語の深みをつくる存在が 責め（せめ） です。
あらばしりの瑞々しさでも
中取りの調和でもない
音楽でいえば最後の一音がすうっと伸びて
空気にとけていくような余韻。

そんな静かな美しさを宿しています。

責めは、最後に圧をかけてしぼられる部分。
けれど、丁寧な造りだからこそ
このパートにしか出せない落ち着きと
厚みがそっと立ち上がります。

口に含むと瑞々しさを感じる旨みと甘みがゆっくりとほどけ
艶やかな酸がその味わいに寄り添うように重なっていく。
気づけば心の奥のほうに静かに灯りがともるような酒質です。

もしこの一本をたとえるなら、
「年の終わりにそっと灯るやわらかな行灯の光」
主張しすぎず、静かに場を温める存在感。
それが責めの魅力です。

年末年始の食卓に合わせるなら
艶やかに仕上げた黒豆
旨みの深い牛ごぼうのしぐれ煮
鰤の照り焼き
甘さがしみ込んだ里芋の白煮
など、ほっとする味わいを持つお料理がよく似合います。

お正月の慌ただしさが落ち着いた夜
テレビを消して
ゆっくりと湯気の立つ器を手にした瞬間。
静かな時間の入り口をひらいてくれます。

三兄弟の中でいちばん、
余韻が細くて長い金の糸のように続き
最後にじんわり心を緩めてくれる一本。

今年をふり返る夜にも
新しい年を迎える朝にも
是非お楽しみください。


※1800mlはご飲食店様限定商品となります