鯉川 特別純米 夏の辛口 DRY R6BY 1800mll

風がまだやさしく空気のなかに若葉の匂いが混じる初夏。
梅雨の気配を少しずつ孕みながらも日差しにはどこか軽やかさがあって
肌をなでる風が心地よい季節。
山形県鯉川酒造さんより、涼を運ぶ一本が届きました。

「夏の辛口」と名づけられた特別純米酒。
その名のとおり、すっきりと引き締まった味わいのなかに
しなやかさと品のある旨味をたたえた一本です。
冷蔵庫でよく冷やせば口にふくんだときの第一印象は清らかでシャープ。
凛とした辛口が火照った体を
そっと整えてくれるようなそんな清涼感があります。

けれど少し温度が上がるにつれてお酒の表情もふわりと変わってゆきます。
室温に近づくころには、お米のやさしい旨みがゆるやかに広がり
涼やかさの奥にあるふくよかさが姿を見せてくれます。
その移ろいもまた、初夏という季節のゆらぎに似て
どこか心を和ませてくれるのです。

合わせたい料理は、季節の輪郭を感じられるものを。
蒸し暑さに身体が喜ぶピリ辛の冷や汁、青柚子を効かせた南蛮漬け。
味噌や生姜をきかせた高野豆腐の田楽なども
しっかりとした辛口の味わいにそっと寄り添います。
和食だけにとどまらず、東南アジアの
やさしいスパイス料理との相性も見逃せません。

そしてこのお酒のもうひとつの魅力は、そのラベルに描かれた猫たち。
初夏の光のなかで、気ままに遊ぶ猫の姿に思わず頬がゆるみます。
けれど中身は見た目のかわいらしさに反して芯のあるきりりとした辛口。
このギャップこそが「夏の辛口」が愛される理由かもしれません。

夕暮れの風が心地よいころ。
窓辺に腰かけすこし汗ばむ肌に風を感じながらグラスを傾ける。
鯉川のこの一本が、そんなひとときを
よりやさしくより涼やかにしてくれることでしょう。