すごいリアルレモンサワー 500ml

グラスに注いだとき、最初に香るのは
思っていたレモンサワーとは少し違う香りでした。
どこか薬草のような、ミントやグレープフルーツを思わせる
静かな苦みをともなった香り。
飲んでみるとその印象はさらに深まります。
爽快というよりは落ち着きがある。
派手さではなく時間の中で変化し続けるような味わい。

「すごいレモンサワー」は
ベースとなる「リアルレモンサワー」をもとに、
年間およそ100本ほどしか生産されない完全限定品。
一番味わいが濃く、素材の力が出る「春」の時期だけに仕込まれます。

製法もユニークです。レモンの皮を桂剥きにして
そのまま瓶の中で直接漬け込む。
加熱や濾過はせず、果皮とお酒が瓶の中で
静かに呼吸を交わしていくことで
香りも味わいも日ごとに変わっていきます。

最初は果実らしいフレッシュな香りですが
時間が経つほどにレモンの内にある
植物としての苦味や薬草酒的な要素が前に出てきます。
この変化が何よりもこのお酒の面白さであり、
唯一無二の魅力です。

パッケージにも、作り手の手間と遊び心が込められています。
蓋代わりに押さえているのは、ラベルにも使用されている名尾和紙。
しかもそれをさらに奄美大島で泥染めした特注のもの。
瓶を結ぶ紐には、大島紬の糸が使われており
レモンサワーの常識をひらりと裏切る
アートピースのような存在感があります。

名前の通りサワーとして楽しむのはもちろん
最初は冷やしてストレートで味の変化をじっくり味わいつつ
味が強く感じられるようになったら
氷を足したり、ソーダで軽く割って香りを立たせても。
オイルサーディンとフレッシュハーブのサラダや
カリッと焼いた厚揚げに黒胡椒とオリーブオイルをかけたものなど、
素材感がシンプルで、少し苦味や塩味のある料理と手を取り合います。

休日の午後。
ゆっくりと冷蔵庫から瓶を取り出して、グラスに注ぐ。
その日の香りと味が、どこか違っていることに気づく。
そんなふうにして、日常のなかに
小さな観察と変化をくれるようなお酒です。