天美 純米大吟醸 播州愛山　720ml

天美 純米大吟醸 播州愛山
― 山口県 長州酒造 ―

瀬戸内の海をぐるりと囲む4県――岡山・兵庫・広島・山口。
それぞれの地を代表する酒米を
同じ精米歩合（50％）同じ酵母（1401号）で醸す
「瀬戸内4県 純米大吟醸シリーズ」。
4月から8月にかけて順に登場するなか
今年の第二弾として2年ぶりにリリースされたのが
兵庫県産「播州愛山」を用いた一本です。

「愛山」という酒米は、その名の響きから想像する通り
やわらかで包み込むような甘みが特徴的。
今回の天美では、その甘みを丁寧に引き出しながらも
酵母をあえて変えることで
甘やかさの中にスマートな輪郭を与えています。

口に含むと、最初は軽やかなタッチ。
やがて中盤から、生命力を感じさせるような力強い風味と、
どこか可憐な甘さがふわりと広がります。
後半には微細なガス感と爽やかな酸が重なり合い
口中に清々しい風を通す。
ゆっくりと味わえば、芯のある骨格がはっきりと見えてきて
その芯が全体を整え透明感のある美しい余韻を生み出します。
まるで一本の道が、まっすぐに喉から心へと抜けていくような感覚です。

レモンを添えた鰤のカルパッチョ、春菊と柿の白和え、
塩だけで仕上げたアスパラガスのグリルなど。
お酒の繊細な甘みと酸味が、
料理の持つ自然な甘さや香ばしさを引き立て、
互いの魅力をそっと照らし合います。

夏の夕暮れ、窓から入る潮風とセミの声を背に、
氷水のように澄んだグラスを手にする――そんな瞬間に似合うお酒です。