白濁無濾過　鶴見 1800ml

まだ「新酒」というジャンルが
焼酎の世界に定着していなかった2012年。
大石酒造は、蒸留したての荒々しさや甘やかさ
そして唯一無二の個性に光をあて「白濁鶴見」を生み出しました。
以来、看板銘柄「鶴見」と並び、多くの人々に愛され続けています。

こちらの焼酎は、蒸留したばかりの原酒を無濾過のまま
検定からわずか三日以内に25度へ割水しそのまま瓶詰めしたもの。
タンクで熟成させることなく、その瞬間の命を閉じ込めた一本です。
だからこそ、ときに白く濁ったりオリが浮かぶことがありますが
それは自然の香味が息づいている証拠。
振ればまた違う景色を見せてくれます。

令和五年度からは、原料となる「シロユタカ」を育てた農家さんの
名前や地区名を記したネックタグを添えています。
畑の土や風までも、グラスの向こうに重なって見えてきます。

蒸留したてに含まれる繊細な成分は
時が経つにつれて静かに姿を消します。
温泉を思わせる香りも数か月で薄れ
味わいは穏やかに落ち着いていく。
だからこそ瓶詰めから早いうちは
鮮烈な甘みや勢いに出会えますし
数日、数週間と時を重ねれば
まるで別の顔を見せるように変化していきます。
その「今だけ」を楽しむのが、このお酒の真骨頂です。

やがて半年、一年、数年と過ぎれば
瓶の中の濁りはゆっくり澄んでいきます。
曇り空が晴れ渡るように。
濁りのままを味わうか、澄んだ表情に出会うか
──選ぶのは飲む人の自由です。

さつまいもの炊き込みご飯と合わせれば
ほくほくとした甘さと焼酎のまろやかさが響き合い
秋のやさしい温度が広がります。

きのこと豚肉の味噌炒めには、お湯割りを。
香ばしい味噌ときのこの香りを包み込むように溶け合い
食後まで余韻を残します。

里芋と鶏の煮っころがしのとろりとした食感と甘辛さには
常温の白濁鶴見がぴたり。
食卓の温もりを一層やわらかくします。

どれも秋の台所に自然と並ぶおかずたち。
そこに白濁鶴見があれば
日常のごはんが少しだけ特別な時間へと変わります。

白濁鶴見は「完成された焼酎」ではなく
「変化し続ける焼酎」です。
濁りも香りも、日ごとに変わるその姿も
すべてが生きている証。

今日のお夕飯とともに、家族の団らんに、静かな午後のひとり時間に。
この一本が、暮らしのなかで小さな豊かさを灯してくれるはずです。