新酒 五郎 720ml

潮風が頬をなでる夜、
静かな港に耳を澄ますと、
ふっと立ちのぼる香りがある。
それは土の温もりと、ふかし芋の甘い湯気が交じり合った
甑島ならではの合図のような匂い。
その気配を瓶に閉じ込めたのが、
吉永酒造「五郎」の新焼酎です。

栓をひねれば、しっかりした芋の香りに、
ふんわりと甘い蒸気が重なり
まるで夜風に混ざる浜辺の焚き火のよう。
ひと口含めば、濃厚な旨みと甘みが波のように押し寄せ、
その後には新酒らしい張りが全体をきゅっと引き締めます。
ただその若さは決して尖らず
景色を鮮やかに見せてくれるレンズのような透明感。
余韻はするりとやさしく消え、
まるで海の底に光が静かに沈んでいくようです。

「五郎」の新焼酎は、
香りは豊かだけれど決して押しつけがましくなく、
味わいは濃厚なのに調和を失わず、
後口は澄んで静かにほどけていく。
甑島の自然と人の手が、
若さを粗さではなく“透明な輪郭”へと変えているのです。

一年に一度だけ訪れる、
甑島からの最初の便り。

グラスを傾けながら、過ごす時間のなかで、
今年の島の鼓動がそっと胸に沁みてくる。
そんな一本を、ぜひ大切な誰かと、
あるいは自分だけの静かな夜に。