御前酒 まめ農園雄町 R5BY　　1800ml

八ヵ郷用水を通じて高梁川の清らかな流れが農地を潤し
古くから人々の食を支えてきた土地。
その恵みの中で営まれる「まめ農園」は
お米や野菜を代々育ててきた兼業農家から
2006年に専業農家へと歩みを進めました。
農薬や化学肥料に頼らず、ブルーベリーやレモンにも挑みながら
自然と人の距離を近づける農を続けています。

このお酒に使われるのは、そこで育った特別栽培米雄町。
江戸時代から続くミネラル豊かな土壌に育まれた稲は
健やかで力強い生命感をそのまま宿しています。
その稲を菩提もとで仕込み、ゆっくりと発酵・熟成させることで
お米の滋味が重なり合い、唯一無二の表情を見せる純米酒となりました。

口に含むと、はっきりとした骨格を感じさせ
酸味がしっかりと全体を支えます。
その姿は、夕暮れから夜へと空が移ろう瞬間を思わせます。
橙から群青へと移り変わる空のグラデーションのように
飲むほどに広がる旨みと酸が、静けさと深さを同時に描き出す。
冷やせば凛とした張りを見せ、燗にすれば温もりの中に奥行きを広げ
心の奥に穏やかな余韻を灯してくれます。

合わせたいのは、秋らしい家庭料理。
甘辛く煮含めた里芋と鶏肉の煮物。
ほくほくの里芋コロッケ。
そして夕餉の食卓には、焼き秋刀魚にすだちを絞り
その香りとともに杯を傾ければ
酸のきらめきが秋の味覚をより鮮やかに映し出します。
気取らない料理の一皿に、お酒が寄り添うことで
季節の景色がより深く胸に残るのです。

「御前酒 まめ農園雄町」は、
まめ農園の雄町が宿す力強さと
菩提もとの静かな落ち着きがひとつに溶け合い
飲む人の心に穏やかな余韻を残してくれます。
それはまるで、夕焼けの残光から群青へと
変わる空を見上げるときのように
深く、静かで、胸に沁みる一本なのです。