篠峯 ろくまる 山田錦 純米吟醸 無濾過生酒 晩秋旨酒　720ml

昼と夜の境い目が、少しずつ短くなっていく。
風の匂いが変わり、光がやわらかく滲む。
10月の空は、どこか少し寂しくて、それでいて穏やかだ。
そんな空気の中で、ふと手に取りたくなるのが
「篠峯 ろくまる 山田錦 晩秋旨酒」。

氷温の眠りから目覚めたこのお酒は、
上品な甘みと静かな余韻をあわせ持ち、
口に含むと、やわらかな丸みがすっと広がる。
ピチピチとしたガスのきらめきが
まるで秋の夜空に瞬く星のように
小さなリズムを刻みながら、やさしく消えていく。

山田錦の旨味は、その奥にあるあたたかさが
飲む人の心にゆっくりと染み込んでいく。
氷温熟成で育まれた深みは、穏やかで、どこか懐かしい。

合わせるなら、季節を感じる素朴な一皿を。
「秋刀魚の梅煮」はしっとりとした酸味を
お酒のふくらみがやさしく包む。
「長ねぎと鶏の照り焼き」は香ばしさの中に上品な甘みが重なり
食卓が静かに華やぐ。
「栗とほうれん草の白和え」は淡い甘みと
お酒の丸みが寄り添い、ほっとする余韻を残す。

一日の終わりに、少し冷やしたグラスを傾けると、
時間がゆっくりとほどけていくような気がする。
「ろくまる 山田錦 晩秋旨酒」は、そんな10月の静かな夜に寄り添う、
言葉よりもやさしい灯りのようなお酒です。