秋綿　純米吟醸　1800ml

風が少し冷たくなり、夕方の匂いが変わるころ。
街の木々がゆっくりと色づきはじめると
秋限定の「綿屋」が届く季節です。

盃を傾ければ、軽やかな旨味の中にやわらかな酸がすっと流れ、
まるで秋風が頬を撫でるような爽やかさ。
重たくなりがちな秋の食卓にも
きれいに抜ける一筋の光を添えてくれます。

味わいは優しく、けれど芯がある。
一口ごとに、米のふくよかさと酸のきらめきがゆるやかに重なり、
飲み進めるほどに、秋という季節の深呼吸が感じられる。
ラベルいっぱいに描かれた紅葉の栗駒山もまた、
この酒の中にある“季節の静けさ”を映しているようです。

合わせたいのは、肩ひじ張らない秋のごはんたち。
「きのこのオイルパスタ」
オリーブの香りと酸味が共鳴して、食欲を静かにひらく。
「かぼちゃのそぼろあんかけ」
甘じょっぱいあんを旨味がそっと支えて、ほっとする温度を残す。
「秋鮭のソテー レモンバターソース」
酸が爽やかに溶け込み、後味をきれいに整えてくれる。
「レンコンとベーコンのきんぴら」
香ばしさにふくよかな甘みが寄り添い、つい盃を重ねてしまう。

誰かと囲む晩ごはんでも、ひとり静かな夜でも、
この綿屋は空気を少しやわらかくしてくれる。
頬に当たる風が冷たくなっても、
グラスの中には、まだ秋のぬくもりが残っている。

そんな季節の真ん中に、そっと寄り添う一本です。